「PAYDAY!!!」山田詠美
どうもどうも、むむろんです。
10月に入りましたが、信じられないくらい暑い日が続いていますね。
皆さん体調管理には気をつけてください( ̄^ ̄)ゞ
今回読んだ本は、山田詠美さんの「PAY DAY!!!」です。
ブックオフで新しい本との出会いを求めて手に取った一冊なんですが、山田詠美さん、有名な方なんですね。
恥ずかしながら今回初めて知りました。。。
作品を調べてみたところ「放課後の音符(キイノート)」、「ぼくは勉強ができない」等がありますね。
それではそれでは、感想を書いていこうと思います。
【感想】
題名からは想像できなかったんですけれど、この小説9・11のテロを題材にした小説なんですね。
ですが、テロの場面が直接描写される訳ではありませんし、人が死ぬ場面が書かれる訳でもありません。
あくまで、間接的にそのテロに巻き込まれた家族や周りの人々の関係性、心境の変化、微妙な心の移り変わりをアメリカ南部の双子の兄妹の目線から描かれています。
まず、読んでいて非常に心地良い小説でした。9・11を題材にしていますが、悲しい場面でも心地よく読むことができます。
ですが、そこに居たわけでは無くても、
直接の被害を受けたわけでは無くても無くても、
テロの悲壮感や、それに伴う登場人物達の苦悩や心の揺れがひしひしと伝わって来ますね。
決して、テロのことを軽く書いているわけではありません。
そして、この小説の登場人物達は皆、何か問題を抱えています。
テロのことは勿論、人種差別、離婚、アルコール依存症、上手くいかない恋愛、、、
個性が豊かすぎる登場人物達は、それぞれ心に暗い物や悩みを抱えながら、時に笑い、泣いて、そして一つになって、表情をコロコロと変えながら向かい合っていこうとします。
それでですね、これが私の好きなところなんですけれど、泣いて悩んで、苦しむんですけれど、無理に解決しようとしないんですよね。
皆、それぞれに折り合いを付けて、時々逃げて、不器用ながらも精一杯に生きようとする家族の等身大の姿が描かれています。
そして、序盤か中盤、そしてラストへ向けての双子の兄妹達の心の変化、感情の揺れ動きにも、注目して欲しいです。
読んだ後に温かい気持ちになれる、非常に好きな部類の小説でした。ヽ(´∀`)ノ
むむろん的お薦め度
★★★★☆
感想は以上です。
それでは皆さん、ごきげんよう。( ̄^ ̄)ゞ
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